タコ25の日記

日々の暮らしや活動記録

歩き遍路に行った話

2017年4月。前年度いっぱいで3年ほど勤めていた仕事を辞めた私は、この後どうしよっかなーと特にあてのない日々を過ごしていた。在職中に次の職場を決めるのが社会的常?で効率がいいのだろうが、どうにも自分にはそれが出来なかったためやはり今回も一時的に無職となってしまったのである。

 

そのとき、ふと旅をしたいなあと思い、私はこれまたふと日本一周してみようかなと思い立った。今まで長旅の経験がないのにいきなり日本一周とは…。
そしてネットで日本一周について調べ始め、やっている方のブログを眺め、楽しそうだなーという印象を抱く。しかし3年くらいかかるということ(何故か歩き以外の方法は考えていなかったため)、300万円くらいのお金がかかりそうであることから、次第に心が折れていく。また、3年くらいもするとマンネリしそうだなあという危惧もあった。

そこで、よくよく考えてみると自分が日本一周をしたいと思ったのは以下の理由からだった。

 

①非日常の体験をしてみたい。
帰る場所があって、ご飯が出てきて、寝る場所があって、何の不安もなくのうのうと暮らしている自分に嫌気がさしていた(当時は実家暮らしであった。まあ現在もだが)ため、飛び出してみたくなった。

 

②自分を追い込んでみたい。
ひたすら歩くことで苦行のようなものを味わいたい欲があった。また、だらしない体型になっていたので減量したいということもあった。

 

③知らない土地を旅してみたい。
日本について知らなすぎなので知れたら素敵だなあと思っていた。
ただこの理由は上記2つに比べて小さい。

 

ということは日本一周でなくてもいいのでは?となり、以前友人が行い途中で辞めたという”遍路”に興味を持ち始めた。今ならわかるけれど、ここで大事なのは友だちが”辞めた”ということだっただと思う。健全ではない思考で自分でもちょっと引いてしまうけど、誰かに出来なかったことをやりたいという気持ちは当時強かったし、より厳しい状況に惹かれたのだと思う。

 

遍路について調べてみると45日くらいで回れるということ、野宿をすれば食費くらいしかかからないことなどから「よし、これにしよう」と決めたのであった。もしそのあと日本一周したいと思えば他を回ればいいやとも思っていた。

 

思い立ってからは出発日を自分の中で5月1日と決めていた。単にキリがいいということと準備とかしてたらそのくらいになるだろうと思ったからだ。
実際に必要な装備品を集めだしたのは出発の1週間前くらいからで、それまでの間私はなんともまあだらだらと過ごしてしまったのである。地元にはほとんど連絡を取り合う知り合いがいないのだが、丁度そのとき一緒に前の職場を辞めた人がいてよく遊びに出かけたりした。(彼女に少し惹かれていた)
ただしさすがにいきなり本番はまずいと思い、購入していたテントを用いて近所の祖母の住んでいた家の庭にて一度設営宿泊の練習をした。
歩く練習については15kmを3回くらいしなかった。
遍路の必須本を2冊購入していたが予定を立てることが苦手なため、殆ど読むことはなかった。

 

そうこうしているうちにあっという間に出発の朝を迎えたのであった。