遍路日記(37日目)
4時頃に起きる。
ぐっすり眠れた。
朝の支度をしていると寒くなり、最終日なので奮発して自販機であったかいミルクティーを買う。美味しくてあったまった。
そして5時半頃に出発。
道の駅へ泊まったため遍路道の山道を逸れていたが、折角なので合流するルートをとる。
そこで4頭の野犬に遭遇。子犬で可愛らしい大きさだったが1頭がたくましく吠えては逃げを繰り返していた。かわいくいい出会いだった。これも困難な道を選ばないとなかった体験だなあと思った。
遍路道に入って1歩1歩を踏みしめて上る。
昨日、途中の案内板に赤筆で”絶景コース”と書かれていたが、絶景はなかったように思う。
まあまあの難易度だった。
少し歩き女体山の道へと入る。
1kmちょっとだったのでここは敬意を表して一気に駆け上がった。
さすがに急にはなったが頂上付近までは問題なく進む。
しかし最後は88ヶ所で1番クレイジーな道だった。岩を登っていく行程は、ほぼ登山だった。
こういう難所を最後に持ってくあたりが中々イケてるなあと感じながら進んだ。
頂上へとたどり着き、あとは下るだけになり気が緩んだのか、小石が散らばっている砂利道だったせいか3回遍路ころがしにあった。
さすがに3回目は笑った。手を少し擦りむいた。
88番札所大窪寺に着くと焼却をしており、その煙と朝の木漏れ日が合わさって神秘的な雰囲気を醸し出していた。
一通りお参りを済ませ納経所に行き、事前に杖を処分してくれると聞いていたので尋ねるとおっちゃんが機嫌悪そうな対応だったのでかなりイライラした。
このように有料で納めてくれるらしいのだが…。
結局お願いしないことに。
また、白衣にスタンプを押してもらいたいと言うと汗で濡れてるから出来ない!ドライヤーじゃ乾かない!外に1〜2時間干しとかなきゃ!などと手荒く言われた。
最後なのに結願なのに~ピキピキと思いながら白衣を日向に干し、寺前の食堂で結願うどんを食べた。
野菜がゴロっと入っており白味噌のまろやかな味でとても美味しかった。
その後納経所のおっちゃんもちゃんと話すとそんなに悪い人じゃないことがわかり落ち着くことができた。
さすが最終札所、便所の案内もある。
ベンチに腰掛けていた兵庫から来たおばちゃん2人と会話をし写真を撮ってもらう。
いい人たちだった。
私のことを昨日見かけて杖を見て、兵庫にそういう名の地域があるのでそこの人かなあと思っていたみたい。
主人がドイツ人ペアと一緒に山越えをしているので、先にバスで来てここで3時間くらい待たなければならないと言っていた。
10時過ぎ、いよいよ108ヶ所の最後、別格20番札所大瀧寺へと向かって進む。
ペースはまあまあ、途中女性がキジ打ちをしていて気まずかった。
夏子ダム入り口の売店入り口にザックを置かせてもらい、そのとき農家の人にミニトマトをもらい出発。
すぐ行ったところでお話したり追い越したりしたおっちゃんに会った!
少し話をして、道中の水を補給できる場所を教えてもらい、後で大窪寺の前に来るかもです~(そこで野宿する予定です)と言って別れる。
そしてずんずんと進む。
大瀧寺の前の最後の遍路道に入る前によろしくお願いますと言い上り始める。
途中草木が茂ってはいたがイージーだった。
しばらくして寺に着き、これで最後かあ、あ、お礼参りの霊山寺があるかあと思いながら読経をした。
その後住職に「どこから来たのか?」と尋ねられたので「大窪です」と答えたら「頭狂ったのか?」と言われた。
住まいを聞いていたらしい。
そして霊山寺にはどう行ったらいいかを尋ねるとそんなの行く必要ないと即答された。本来は高野山にお礼参りするのが普通で、1番札所に戻るというのは数年前に霊山寺が金儲けのために勝手に作ったルールだと言われた。
確かに最近の通例とは知っていたが、よく考えるとそうだと感じたので急遽行くのを止めることにした。
本来は執着から離れるのが仏教の教えなのにそれに反しているじゃないかとのこと。
自分が如何に何も考えずにメディア?に踊らされていたのかを思い知らされた。
最後にものすごいストレートをくらった感じで恥ずかしい反面心がすっきりした。
色々と話をして、お遍路さんは3年くらいしたらうずうずしてまた来たくなるんだよな。またこいやというようなやり取りをして別れた。
水とどら焼きと飴もいただいた。
夏子ダムまで戻り、教えてもらった最寄りの駅にたらたらと向かう。
着いたのが9時前でそこから電車で徳島駅へ行き、徳島ラーメンを食べ(あまり美味しくなかった)、ネットカフェに泊まる。
ソフトクリームが食べ放題で3杯も食べた。
8時間のパックを考えていたので漫画は読まずにゆっくり過ごした。
シャワーがあるかと思って行ったがなく、しかし快適に過ごせた。
とりあえず終わった。
もうちょっとつづく