遍路日記(6日目)
4時半頃に起床。隣に寝袋のみで寝ていたスイスのおっさんに別れを告げて出発。その後トイレに行くとまた会って「また会いましたね」と言うと「しばらくぶりですね」と返してくれて元気が出た。
道中のポップで華やかな家
別格3番の慈眼寺までは遠かった。かつ坂の上であるしで背中の痛みと戦いながらなんとか7時過ぎに到着。
「穴禅定(穴の隙間を潜っていく修行)できますか?」と納経所の方に尋ねると、近くにいた自分の母くらいの女性も「じゃあ私も」となり一緒に行くことになった(外国の犬みたいな髪型だった)。1人だったら3000円だったがおかげで1500円に。修行は案内の人の「右肩先!左足斜め!潜って起き上がる!」などの掛け声に習い一列になって進んで行った。道はかなり狭く、体を忙しなくぐねぐねさせて進んだ。脛をいたるところで打ち顔は冷静ながらもヒイヒイとなっていた。しかし穴内の気温は16℃くらいで涼しく神秘的ではあった。ろうそくのろうが手に垂れたりもしたがそんなに熱くは感じなかった。最奥にてそれぞれ「何の祈願をしますか」と尋ねられたのだけれど、私はその時点で願いというものがなかったため、挙動不審になった後「け、けんこうを…」と伝えた。女性は2本目のろうそくで私の大成(結願)を願ってくれた。ちゃんと願いを決めようと思った。
穴禅定でもらえるせんべい
その後近くの滝を観光がてら見に行った後、朝来た道を戻っていると今旅初めての雨に。ザックカバーをし、傘をさして歩いた。頭がむしむしして、あと遠いしでぼーっとして風邪かな?とちょっと思った。
1時間も経たないくらいで雨は止み、そのまま続けて20番札所の鶴林寺へ。ここがまあ大変!鶴林寺まであと1.8kmと麓に書いてあったが、そこからずっと上り上り上り!50mおきの距離の印が逆にイライラを募らせる。また酸欠になりそうで水も残りわずかだったしでヘトヘト。遍路ころがしで有名な焼山寺よりキツいんじゃないかと思った。なんとか上り終えて、境内で大休止。しばらくゆっくりすることに。納経所にて鶴の印を白衣に押してもらい下山。
本日の宿泊予定地である大井小学校跡地に向かっていると女性がいたので話してみると、なんとKくんのお母さんだった!!(Kくんは3日目まで一緒に歩いた仲)息子にお接待をして息子の歩く道を歩いてみたかったとのことで歩いていたらしい。(しかも彼は昨日同じ道の駅に泊まっていたことが判明)多めのお接待もいただき別れる。
その後小学校には2人の兄弟がいて野球やコマをした。
まだまだ子どもは遊びたいようだったが、疲れていたので後半はほっといてくれよ…と思いながらやり過ごした。ごめんなさい…。
そうしていると変なおっちゃんが軽トラで現れ、水道はしっかり止め、火は気をつけてなと言い去っていく。しばらくしてまた現れ、「ご飯はありまっか?あれやったら家近いし家にあるカップ麺でも持ってきましょか」と言ってくれた。その後も何度か来られたのでお言葉に甘えることに。40分後くらいにきつねうどんを持って来てくれた。時間から考えておそらく買ってきてくれたんだと思うとありがたいような切ないような気持ちになった。ごちそうさま。
6時ごろ、Sさんという台北の方が来て隣にテントを張った。少し話をした。以前は映写機を10年くらい回す仕事をしていたがボーリング(退屈)だったみたいで辞めて、カナダへ行き、今遍路をしているよう。シナリオ(映画)をこれからやりたい36歳。後で連絡先を教えるから台湾来たときは案内してあげるよーと言ってくれた。Sさんはイビキがすごかった。明日の朝、自分から連絡先聞いてみようと思う。
私の一番好きな遍路の案内札